ビジネスモデル・ジェネレーション / ファシリテーション(1)

ビジネスモデルとは?

「ビジネスモデル・ジェネレーション(以下BMG)」(翔泳社)は、ビジネスモデルを次のように定義する。「ビジネスモデルとは、どのように価値を創造し、顧客に届けるかを論理的に記述したもの」。その後著である「ビジネスモデル・ジェネレーションYOU」では「組織が財政的に存続するための論理」と定義している。少々表現が変わったが、価値を創造し得なくなったら財政は行き詰るのだから、要は同じことだ。
※論理:議論や思考を進める道筋

BMGのコンセプトとアイディア
BMGは4つの領域
1.顧客
2.価値提案
3.インフラ
4.資金
をカバーする9つのビジネスモデル構築ブロックで構成される。
1.顧客セグメント
2.価値提案
3.チャネル
4.顧客との関係
5.収益の流れ
6.リソース
7.主要活動
8.パートナー
9.コスト構造
この9つの構築ブロックでつくられたフォームを「ビジネスモデルキャンバス」と呼ぶ。

さて、実務家でありコンサルタントである私は、ワクワクしながら本書を読み込んだ。画期的な本だと思う。経営戦略やマーケティングにテンプレートトがついているものは結構ある。しかしこの「ビジネスモデルキャンバス」はこれまでのものと一線を画す。このアイディアに脱帽したのである。
理由は二つ。
1.時代を切り開く経営者たちは、学者ではないと言うこと。
2.戦略の道筋がよくみえること。

発案しよう、創造しよう
勿論、成功者を調べれば共通項目が沢山出てきて、それをビジネスモデルの構成要素と特定できよう。だが、身近な人々の成功例を見ていると、構成要素もさることながら、物語の因果関係がはっきりしていて面白いのだ。
一昨年、山古志村の「ふっかつ丼」が話題になったので出掛けてみた。そこで見かけたのは、この「ふっかつ丼」もさることながら、棚だが崩落したから「多菜田」にしたという郷土料理のお店。中学生が長岡の花火をもじってつくったというカグラ南蛮入りの「やまこし汁」。あるいは東洋大学駅伝部との交流(なんで?)まで。とにかく物語だらけなのだ。それが面白いといってテレビの取材が入る。だからそれをみてまた人が来る。マーケティングの勉強などしたことがないであろう人々が立派にビジネスを創造しているではないか。2004年中越地震の被災地が自立し始めている光景をそこに見たのだ。

私たちが、ひとつ犯した間違いがある。商品開発はM+3Cだ。競争戦略はSWOT分析だ…。その使い方を学び、結構便利な道具だと言って時間を掛けて分析を行う。しかし、その間に山古志村では商品が生まれているという皮肉な事実。
分析を否定すれば9つの構築ブロックも生まれない。だが、この9つの構築ブロックをビジネスモデルの構築ブロックとし、むしろ発案することに重きを置いたのがこのキャンバス。それが、このBMGのアイディアである。

分析も大事だが発案することにもっと力をいれようではないか。

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