人事の課題:研修プログラムの背景理論を理解し企画運営する ①

例えば、「作業標準やマニュアル」と「考える力や創造性開発」の養成

企業内教育は、経営理念・経営戦略・経営計画にリンクする形を取りたいが、実際には、組織や成員の成熟度によって、教育哲学や理論的背景の異なる研修を同時に採用せざるを得なく、経営戦略に必ずしも連動していないことが起こる。あるいは、ISO9001(品質マネジメントシステム)などが組織で十分理解されていないままに運用されて、人事部門とISO部門が質の異なる教育訓練を行って、むしろ教育訓練の効率や効果を損なっているケースも見られる。
統合マネジメントシステムの導入
戦略連動型能力開発体系の作成

まず、教育訓練担当者が知識として知っておくべきことに、「科学的管理法」と「科学的アプローチ」がある。その理解からすすめよう。

① 科学的管理法
1911年 フレデリック・W・テーラー(1856年3月20日 – 1915年3月21日)による研究成果の総称である。
1911年に著書「科学的管理の原理」を出版。
労働者の 組織的怠業⇒時間研究(time study)および動作研究(motion study作業方法、作業時間、作業条件の標準化。
1913年 星野行則著「学理的事業管理法」
1932年 上野陽一著「テーラー全集」
1957年 上野陽一著「科学的管理」
代表的な成果はやはり作業標準であろう。最近はこの標準も下記の様に使い分けている。

【作業標準書】
・作業標準には、作業手順書、作業要領書、ワンポイント注意書きなどがある。
・ 作業の判断のよりどころや行動の目安となるもの(基準)が記載された書類。
・作業の判断基準
・定められたルール
・標準書では構成部品も記載される。(手順書+図面)

【作業手順書】
・作業をする順序、段取りが記載された書類。
・作業を細分化して具体化したもの。
・実際の作業者は、「作業手順書」に従って仕事をする。
・作業手順書の作成は労働安全衛生規則35条で義務付けられている、
・それさえ守ればとりあえず製品が作れる。
・作業手順書は手順を基本に書く。
・作業の順序・段取り

【作業指示書】
・こうしないと間違いが起こる可能性が高い。
・ 作業する人たちを対象に、間違いなく作業を実施上で必要事項を明確に文書化したもので、具体的に作業方法を指示するもの。
・順 序
・方 法
・規 格
・品 質

【ワンポイント注意書き】
・仕様書、QC工程図などから重要工程、重要機能として抽出された作業
・過去の失敗事例から再発防止策として作業上の重要ポイントを記載し、作業台の前や作業する設備に掲示。

上記は、時間研究と動作研究という科学的アプローチ(科学的接近法)による、100年前の成果である。作業標準だ、作業手順だ、マニュアルだというのは、この成果に大いに依っている。

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