人事の課題:研修プログラムの背景理論を理解し企画運営する ③

ここまでは、1970年代、1980年代までのパラダイムと考えて良い。以下は、1990年以降におけるISOパラダイムについて言及する。
② デカルト思考の見直し:(ルネ・デカルト:1596年3月31日 – 1650年2月11日)
【要素還元主義】
考察・研究している対象の中に階層構造を見つけ出し、上位階層において成立する基本法則や基本概念が、「いつでも必ずそれより一つ下位の法則と概念で書き換えが可能」としてしまう考え方のこと。複雑な物事でも、それを構成する要素に分解し、それらの個別(一部)の要素だけを理解すれば、元の複雑な物事全体の性質や振る舞いもすべて理解できるはずだ、と想定する考え方

・PFドラッカーの哲学
すべての学問はその中核に全体と言う概念を持つ。その全体なるものは、部分部分から生ずる結果でもなければ、構成部分の総計でもない。いくら部分を確認し、理解し、動かすことによっても全体を確認し、意味あるものにすることはできない。(「ドラッカーシステムの研究」寺沢正雄著)(⇒ホーリズム、システムズ・アプローチ)
③ 科学的接近(アプローチ)法とは
A) 物事を調査し、結果を整理し、新たな知見を導き出し、知見の正しさを立証するまでの手続きである。
B) 断片化された散在している雑情報あるいは、新たに実験や観測をする必要がある未解明な対象に関連性、法則を見出し、立証するための体系的方法である。
C) …こうした思想を発展させる上で用いられた手段が,観察,思考,実験,検証という独特な手法であった。これらの手法は科学の本質について基礎的な側面を表し,科学と他の知識獲得方法との相違を反映するものとなっている。(⇒「すべてのアメリカ人のための科学」より)
D) 科学的な方法のプロセスは、おおざっぱにいえば「仮説の構築」と「その検証」の、PDCAの延々たる繰り返しとみる。(PDCAはデミングサイクルとも言う)
E) PDCAは監視・測定・分析・改善である(ISO9001


《ISOのシステム概念図》

④ システム・アプローチとは
・システムとは
-1.目的があること
-2.目的を実現するための要素があること
-3.要素が関係し合っていること
-4.目的を実現する上で要素が最適な関係であること
-5.目的は環境に影響を受けること(与えること)

つまり、この科学的アプローチ+システムアプローチというのが今日的方法論であり、ISOの各規格もそのことを要求している。
この章の最後に
・ウィリアム・エドワーズ・デミング(の遺言)
( William Edwards Deming、1900年10月14日 – 1993年12月20日)
-1.組織はシステムである。
-2.組織の構成要素間の「つながり」と「相互関係」を重視する。
-3.相互に機能が異なる部門、部署間について知識を深める。
-4.構成要素間の協力を図る。
-5.構成要素間を横断的に捉えるクロスカルチャー的なアプローチが必要である。
-6.クオリティを目指す企業は、組織がシステムであるという理解を育む必要がある。-7.システム全体のために最善を尽くす。
-8.互いに補強し合って能率を最大にする。
PDCAサイクルの生みの親にして、切り刻み型のアプローチとは異なる哲学をここから感じ取って欲しい。
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